冬のオートバイ 詩 X Bluesky Facebook はてブ コピー 2025/1/9 一時間ほど走っただろうか 指先の感覚がなくなり 道端の数台の自販機が並ぶ前に オートバイを止めた 「あたたかい」の文字に引き寄せられ ウエストバッグに無造作に入れた小銭を出そう かじかんだ指先で何とかファスナーを開ける 小銭を入れるのも一苦労 出てきた缶を両手の掌で転がすように持ち 開ける前にまず手を温める かじかんだ指先が少しだけ動かせるようになり 缶を開けて口へと運ぶ でもエンジンを止めたオートバイは急かすように チチチと泣き続ける 冬ならではの 幸せを感じる