もうすぐ引退が伝えられているJR東海の「新幹線電気軌道総合試験車」、通称のドクターイエローのほうが分かりやすいですね。
東京駅に到着したドクターイエローを撮影しようと多くの人が詰めかけ、ホームドア(可動柵)から身を乗り出して撮影する人、前にいる人が撮影の邪魔だと暴言を吐く人、さらに注意喚起の放送をしたり直接注意する駅員に食って掛かる人など、ごく普通の新幹線利用者からすればホーム上は阿鼻叫喚の地獄の様相に映ったかもしれません。
こう書くと〝撮り鉄〟だけが暴走しているように捉えられがちですが、「これってドクターイエローっていう新幹線じゃないか」と、物珍しさでスマホを向ける新幹線利用者が加わっていたでしょうから、この地獄の様相はみんなで作り上げたものということになりますね。
珍しい電車やもうすぐ廃車される電車を目当てに多くの人が撮影に訪れますが、人が多くなれば罵詈雑言の嵐となるし、撮影したいからといって空地、田畑、山林などの私有地に無断で侵入したリ、さらに構造物等を勝手に破壊する行為も散見されます。
こういう行動に出るのは子供よりもむしろ大人に多くみられるように思いますが、その行動って子供そのもなんですよね。
子供って夢中になると善悪の判断や羞恥なんて頭の中から消え去り、損得のみで行動しがちです。買ってほしい玩具を目の前にして、親に駄々をこねながらお店の前で引っくり返って泣き叫ぶなんて行動がよい例です。
最近の電車撮りたさに集まる人々って、その行動を一歩下がって目の当たりにする一般人からは子供が駄々をこねているのと同じにしか見えません。一度周りの仲間たちにその言動録画してもらって見れば分かると思いますよ。
さらにまだギリギリ子供の範疇の中高生だけではなく、白髪を生やした人までもが子供の駄々こねに似た行動をするからたちが悪い。
ここまでは撮り鉄の話をしてきましたが、私も一応は30年ほど鉄道の現業職をしていましたので、この目で見た感想を素直に書き綴ったわけですが、今は世間一般的に精神年齢が低下していると感じることが多いですね。
観光地のホテルで一泊するが予約していたのは禁煙室。
予約の時に禁煙であることを確認していなかったとしても、部屋を訪れた時には禁煙だということが明示されています。それにもかかわらずタバコを吸い、チェックアウト時に指摘されてもタバコなんて吸っていないの一点張り。なんだろう、子供が「ぼくじゃない!」って噓をつきながら泣きじゃくるのとオーバーラップしてしまいます。
ただ違うのは、泣きじゃくるという手を使わずに凄んで見せて、自分の非を無かったことにさせようと脅すという悪質な手口を覚えてしまったことでしょうか。でも中身はただ精神年齢が低いだけなのですが。
その様子を見た子供たちはと言うと、親のやっていることを見て学ぶので、これが正しい大人なのだと知らず知らずのうちに吸収していく。我慢する必要はないし、我慢できずにバレたとしても凄んでビビらしたらそれでOKだと学習して、親以上に精神年齢が育たないお子様が出来上がっていくわけですね。
パン屋さんで子供が並べられたパンを次々に触っていき、いくつかのパンを床に落としてしまった。パン屋さんにその代金を請求されたら、子供がやったことなのに目くじら立てすぎといって反発してしまうママ。
これも結局は体は大人で中身は子供のままのママが、自分の子供と同じ立ち位置にまで簡単に下がることができて子供の代弁をしているに過ぎないのでしょう。子供の実年齢とママの精神年齢が同一なんですよ、きっと。だって大人であり親ならばまずは自分の子を叱るなり、パン屋へ謝罪の言葉を発するのが普通です。それができずに子供の立ち位置にまでぐっと下がって反発する様子は、小学校の低学年くらいの時に泣く友達の横に立って、泣く友達を代弁するかのように泣かせた相手に食い下がる女の子の場面が浮かんできます。
その代弁の内容も、同級生なり自分の子供と同じ立ち位置まで下がってきて発するもの。結局はそのママの精神年齢の低さに唖然とした普通の人たちが違和感を感じているわけですね。
道路を我が物顔で占領して遊ぶ親子、自分の家の敷地内だから何をしても勝手だろうと傍若無人な振る舞いを見せる親子などなど、すべては大人の体の大きさを備えてはいるけど、中身はかなり精神年齢が低い親たちの子供じみた振る舞いにすぎません。
ここまで書いてきてふと思ったのですが、いま子供の親をしている精神年齢が低い人たちが実年齢も子供だった頃、いったいどういう育てられ方をしてきたのかな。
その育ててきた親たちって今は老害と呼ばれる世代かもしれないし、ひょっとするとバブル景気を知り尽くし好き勝手に遊べていた世代かもしれない。美味しい思いを散々味わい尽くし、好き勝手しても金は入ってくるしである種一番思考がマヒしていた世代かもしれません。
そんな世代が子供を育てたから、叱らないし我慢を覚えさせなかった。それに子供の時分は欲しくても親に何も買ってもらえなかったことが頭に残っており、自分の子供にはそんな思いをさせたくはないと、お金を持っていることもあって何でも自由に買い与えていた。
そりゃあ精神年齢が低いまま大人になって、いつまで経っても我が子と精神年齢が同じな親ができますよ。
そう思うとあのバブル景気がすべてをおかしくした元凶なのかなって思います。
今の子供たちが大人になったとき、果たして精神年齢はきちんと比例して成長しているのかな。
これ以上は書かないでおきます。何せ私自身が老害と呼ばれる世代ですし、バブル景気の頃に働いていた世代でしたからね。
ただし、鉄道業に関してはバブルなんてまったく関係なく、給料だって抑えられたままで美味しい思いは何一つできませんでした。ただその分、子供をきつくしつけたと自負していますが…。