お知らせ

小説「意気地無しなばかりに」は「小説家になろう」に投稿していて、当ブログへは遅れて掲載します。

白い息

冬の朝

頬を少し赤くした君が

白い息を吐きながら歩いてくる

白い息といっしょに

「おはよう」

ぼくの言葉も白い息とともに

「おはよう、寒いね」

彼女が手袋を外してすっと手を伸ばしてくる

ぼくの手を握ると口に近付けて

白い息をはーっとかぶせてくれる

「少し待ってくれたのかな」

「五分くらいだよ」

ぼくの手を頬に付けて

「冷たい」

彼女の白い息や

頬の温かさを感じられるのもあと少し

春には学校を巣立ち別の道を歩いて行く

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